ゴルフ「ニアピン(ニヤピン)」とは|意味とルール、語源
SQORE編集部 | 2026年10月5日更新
ニアピン(ニヤピン)とは、PAR3のホールで1打目をグリーンに乗せ、ピン(旗竿)にいちばん近かった人に贈る賞です。ホールインワンがニアピンになるかは決まりが無く、会ごとに決めます。ニアピンにはゴルフ規則の定めがないため、このページでは揉めるポイントとそれぞれの言い分、スタート前に決めておくことをまとめました。
ニアピンの定義
ニアピンは、PAR3のティーショットで、ピン(旗竿)に最も近づけた人を表彰する賞です。「ニアピン」は和製英語で、英語では closest to the pin。コンペの案内ではNP賞、ニアレストピン賞と書かれることもあります。
基本の条件は次の2つです。
- PAR3のティーショット(1打目)であること
- その球がグリーンに乗っていること(ワンオン)
この「グリーンに乗っていること」が、あとで出てくるホールインワン論争の火種になります。
ニアピンの語源
英語の near(近い)と pin(旗竿)を合わせた言葉です。
ただし、英語そのままではありません。英語圏ではこの賞を closest to the pin(略して CTP)と呼び、near pin とは言わないので、組み合わせは日本で作られたもの(和製英語)です。仲間内の握りでは greenie とも言い、「PAR3で1打目がいちばん近く、しかもパー以下で上がる」ことを条件にするのが普通で、日本のパー縛りに近い形です。
同じものが「NP賞」「ニアレストピン賞」「ニアレスト」と書かれることもあります。
確認した出典: GolfingForeAll「Closest to the Pin」(CTP・KPなどの呼び方)/Fore Putt Golf「Greenies In Golf」(greenie の条件)/Gridge「ニアピンは英語でなんという?」(和製英語という説明)
ホールインワンはニアピンになるのか
いちばん揉めるのがこれです。結論から言うと、決まっていません。両方の言い分に理があり、どちらが正しいという決着はついていません。
「ニアピンになる」という立場
- ピンとは旗竿のことで、カップのことではありません。カップに入った球が旗竿から一番近いのは誰が見ても明らかで、それを外すほうが不自然だ、という理屈です。
- ニアピンは「カップに最も近い地点に打てた人が勝者」なのだから、距離ゼロが負けるのはおかしい。
- 一般向けのコンペ解説には、ホールインワンでも構わないとしているものも見られます。
「ニアピンにならない」という立場
- カップはグリーンではない。ニアピンはグリーン上に止まった球の距離を測る賞なので、カップに入った球には測る対象がない。
- ニアピンの趣旨は「誰がピン(カップ)に一番近いか」を競うことであって、ゼロは「近い」ではない。ホールインワンとニアピンは似ているようで別物だ、という考え方です。
- ホールインワンにはホールインワン賞・ホールインワン保険という別の枠がある。そちらで処遇すればよく、ニアピンまで取ると二重取りになる。
実務的な落としどころ
ホールインワン賞を用意しているなら、ニアピンは対象外にする。用意していないなら、ニアピンを認めて表彰する。—— この形にしておくと、賞が1つも当たらない事態も、二重取りも起きません。実際に「ホールインワン賞がないコンペに限ってニアピンの権利あり」と決めている例があります。
認める場合、その時点でニアピンは確定です(後続の組がどうやっても更新できないため)。ニアピンフラッグは回収するか、カップに挿して「確定済み」と分かるようにしておきます。
どこまでが対象か
| 状況 | 一般的な扱い |
|---|---|
| 2打目以降で寄せた | 対象外。どれだけ近くても1打目だけが対象です |
| グリーンを外した(ラフ・バンカー・カラー) | 対象外。ピンの近くでも、乗っていなければ権利なし |
| OBを打って、打ち直しで乗せた | 「最初の1打目のみ対象」とする会が多い。打ち直しの球は数えません |
| ホールインワン | 要事前決定(前の章のとおり) |
| PAR3以外のホールで乗せた | 対象外(コンペでPAR4をニアピンホールにする場合は事前に指定します) |
グリーンのカラー(エッジ)に止まった球を「乗った」とみなすかも、意外と揉めます。カラーはグリーンではないので対象外、が原則です。
当日の進め方
- 先頭の組の先頭打者からスタートします。その組でピンに最も近く乗せた人が暫定の資格者です。
- 暫定資格者は、自分の球のピン側のすぐ横にニアピンフラッグを立てて、名前を書きます。
- 後続の組は、フラッグより自分の球が近ければ、前のフラッグを抜いて自分のものを立て直します。
- 最終組が終わった時点で立っていたフラッグの人が、ニアピン獲得です。
フラッグが用意できないときは、球の位置にボールマーカーを置き、ピンまでの距離を測ってスコアカードに記録する方式でも代用できます。
権利を失う条件(入れる場合)
仲間内で握るときには、ニアピンを取っただけでは終わらせないローカルルールを入れることがあります。コンペのニアピン賞では普通は使いません。
| 名前 | 内容 |
|---|---|
| パー縛り | そのホールをパー以下で上がらないと権利を失う。仲間内ではいちばんよく使われる。オリンピックでは「2パット以内で入れたら」と書くことも多く、PAR3なら同じ意味 |
| 3パット失格 | ニアピンの位置から3パットしたら、権利を剥奪される |
| 3パットでマイナス | 3パットしたら権利を失ううえに、逆にマイナス(オリンピックなら−3点など。配点の大きさは会ごと) |
| 微笑み返し | パー縛りで、ニアピンの人がボギー以上だったら、もらうはずだったポイントを逆に払う |
| 消しゴム(火消し) | グリーンを外した人が、ニアピンの人と同じか少ない打数で上がると、ニアピンの権利が消える。ニアピンの人がバーディなら、外した人がパーでも消えない |
「せっかく乗せたのに3パットで台無し」「外しても寄せワンで逆転できる」という緊張感を足すためのルールです。オリンピックと組み合わせる仲間内でよく使われます。入れるなら、これも必ずスタート前に共有してください。
消しゴムは「誰が消せるか」で分かれる
消しゴムの条件そのもの(ニアピンの人と同じか少ない打数)はほぼ共通ですが、誰が消せるか、消したあとどうなるかは仲間内で違います。
| 型 | 消せる人 | 消したあと |
|---|---|---|
| よくある形 | グリーンを外した人なら誰でも | そのホールのニアピンは消える(次のPAR3へ持ち越す会も多い) |
| チーム戦の形 | 外した相手チームの人だけ。味方がパーで上がっても消えない | そのホールのニアピンは消える(次のPAR3へ持ち越す会も多い) |
| 火消し・火消し返し | 外して寄せワンのパーを取った人 | 次のPAR3へ持ち越し。ニアピンの人がバーディを取れば「火消し返し」で権利が戻る |
どの型でも、消した人にニアピンが移るわけではありません。消されたぶんは、誰も乗らなかったときと同じく次のPAR3へキャリーする会が多いです。
コンペでパー縛りを使うと揉めやすい
複数の組が回るコンペでパー縛りを入れると、「後の組がもっと内側に付けたのに3パットした。先の組でパーを取った人に権利は戻るのか」が決まらずに揉めます。後の組の人が権利を失った時点で「そのホールは該当者なし」とするか、「その時点でパーを取っている中で一番近い人」とするかを先に決めておくか、コンペではパー縛りを入れないのが無難です。1組だけで握るなら、この問題は起きません。
SQOREでの扱い
アプリのSQOREはニアピンを取った人を選ぶだけの方式です。取り決めはコンペごとに違うので、アプリ側で自動的に取り消したりはしません。
そのためパー縛り・3パット失格・微笑み返し・消しゴム(火消し)の判定はしません。これらを採用している場合は、権利が消えた時点で選択を外してください。ニアピンのキャリーがオンなら、外したぶんは次のPAR3へ持ち越されます。オリンピックの3パット減点は別の設定として用意されています。
誰もグリーンに乗らなかったとき
PAR3で1人も乗らなかった場合の扱いは、次の3つのどれかを事前に決めておきます。
- キャリー(二階建てとも言う) — 次のPAR3へ持ち越し、賞を2つ分にする。続けば三階建て・四階建て(仲間内のポイント制で一番よく使われる形)
- 該当者なし — そのホールは賞なしで終わり
- 次善の基準で判定 — ワンオン条件を外して、グリーンに最も近い球の人に渡す
最後のPAR3で誰も乗らなかったら
キャリーしていると、最後のニアピンホールで誰も乗らなかったときに、持ち越しぶんの行き場がなくなります。そのまま無しにするか、セカンドニアピンにするかを決めておきます。
セカンドニアピンは、2打目でピンに一番寄せた人に、持ち越しぶんも含めたニアピンの権利を渡すやり方です。これもパー縛りで、その人が2打目を寄せたあと1パットで入れてパーで上がれば獲得、入らなければ無しです。
SQOREでは、セカンドニアピンでパーを取った人をニアピンとして選べば、持ち越しぶんも含めて計算されます。
スタート前に決めておくことリスト
ここまでの内容をまとめました。幹事はこれだけ潰しておけば、当日の言い争いはほぼ防げます。
| 決めること | よくある選択 |
|---|---|
| ニアピンホール | 全PAR3 / OUT・INで1つずつ |
| ホールインワンの扱い | ニアピンも取る / ホールインワン賞のみ |
| ワンオン条件 | 必須(標準)/ 外す |
| OB・打ち直し | 最初の1打目のみ / 打ち直しも有効 |
| パー縛り・3パット失格 | 入れない(標準)/ 入れる(仲間内で握るとき) |
| 消しゴム(火消し) | 入れない(標準)/ 外した人なら誰でも / チーム戦は相手チームだけ |
| 誰も乗らなかったとき | キャリー / 該当者なし / 次善の基準 |
| 最後のPAR3で誰も乗らなかったとき | 持ち越しぶんも無し / セカンドニアピン |
| カラーに止まった球 | 対象外(標準)/ 認める |
アプリなら取った人を選ぶだけ
どの取り決めでも、そのまま入れられる
iPhone・AndroidアプリのSQOREは、そのホールでニアピンを取った人を選ぶ方式です。ホールインワンを認めるかどうかのような取り決めはコンペごとに違うので、アプリ側で勝手に判定せず、決めたとおりに入れられるようにしてあります。
誰も取らなければ次のPAR3へ自動でキャリーし、何ホール分が乗っているかも表示されます。オリンピックのホールインワン加点はニアピン加点と別項目なので、両方付けることも片方だけにすることもできます。
よくある質問
ホールインワンはニアピンになる?
決まっていません。「ピン=旗竿だから距離ゼロで一番近い」として認める立場と、「グリーン上に止まった球の距離を競う賞だからカップインは対象外」として認めない立場の両方があります。一般向けの解説には認めるものも見られますが、ホールインワン賞を別に用意しているなら対象外にするのが揉めません。スタート前に決めておいてください。
ニアピンはゴルフ規則で決まっている?
決まっていません。ゴルフ規則にニアピンの定めはなく、コンペや仲間内の取り決めだけで成り立っている賞です。だから条件は自由に決められますし、決めていないと揉めます。
ニアピンはどこまでが対象?
PAR3のティーショット(1打目)で、グリーンに乗った球だけが対象です。2打目以降でどれだけ近くに寄せても対象になりません。OBで打ち直した場合は「最初の1打目のみ対象」とする会が多いです。
ニアピンの語源は?
英語の near(近い)と pin(旗竿)を合わせた言葉です。英語圏では closest to the pin(CTP)と呼び、near pin とは言わないので和製英語です。くわしくは語源の節をご覧ください。
ニアピンを取った人が3パットしたら?
そのまま獲得が基本です。仲間内で握るときは、パー以下で上がらないと権利を失う「パー縛り」がよく使われ、「3パットしたら権利を剥奪」「ボギー以上なら逆にポイントを払う(微笑み返し)」というローカルルールを入れることもあります。コンペのニアピン賞では普通は関係ありません。
ニアピンの「消しゴム」「火消し」とは?
グリーンを外した人が、ニアピンを取った人と同じか少ない打数で上がると、ニアピンの権利が消えるローカルルールです。ニアピンの人がバーディなら、外した人がパーでも消えません。外した人なら誰でも消せる形のほか、チーム戦では相手チームの人だけが消せる形、消されたぶんを次のPAR3へ持ち越す形もあります。
誰もグリーンに乗らなかったら?
次のPAR3へ持ち越す(キャリー)か、そのまま賞なしとするか、ワンオン条件を外してグリーンに最も近い球で判定するかを、事前に決めておきます。最後のPAR3で誰も乗らなかったときは、持ち越しぶんも無しにするか、2打目でピンに一番寄せた人に権利を渡す「セカンドニアピン」にします。
ドラコンとの違いは?
ニアピンはPAR3で正確さを競う賞、ドラコンはPAR5で飛距離を競う賞です。くわしくはドラコン・ニアピンのルールをご覧ください。
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