ゴルフ「ニアピン」の定義と、どこまでが対象か
SQORE編集部 | 2026年8月14日更新
先に一番大事なことを書きます。ニアピンにはゴルフ規則の定めがありません。コンペや仲間内の取り決めだけで成り立っている賞なので、「これが正しい」という公式の答えは存在しません。だからこそスタート前に決めていないと必ず揉めます。このページでは、実際に揉めるポイントを全部並べて、それぞれの言い分と落としどころをまとめました。
ニアピンの定義
ニアピンは、PAR3のティーショットで、カップに最も近づけた人を表彰する賞です。「ニアピン」は和製英語で、英語では closest to the pin。コンペの案内ではNP賞、ニアレストピン賞と書かれることもあります。
基本の条件は次の2つです。
- PAR3のティーショット(1打目)であること
- その球がグリーンに乗っていること(ワンオン)
この「グリーンに乗っていること」が、あとで出てくるホールインワン論争の火種になります。
ホールインワンはニアピンになるのか
いちばん揉めるのがこれです。結論から言うと、決まっていません。両方の言い分に理があり、どちらが正しいという決着はついていません。
「ニアピンになる」という立場
- ピンとは旗竿のことで、カップのことではありません。カップに入った球が旗竿から一番近いのは誰が見ても明らかで、それを外すほうが不自然だ、という理屈です。
- ニアピンは「カップに最も近い地点に打てた人が勝者」なのだから、距離ゼロが負けるのはおかしい。
- 一般向けのコンペ解説でも、ホールインワンでも構わないとしているものが多数派です。
「ニアピンにならない」という立場
- カップはグリーンではない。ニアピンはグリーン上に止まった球の距離を測る賞なので、カップに入った球には測る対象がない。
- ニアピンの趣旨は「誰がホールに一番近いか」を競うことであって、ゼロは「近い」ではない。ホールインワンとニアピンは似ているようで別物だ、という考え方です。
- ホールインワンにはホールインワン賞・祝い金・保険という別の枠がある。そちらで処遇すればよく、ニアピンまで取ると二重取りになる。
実務的な落としどころ
ホールインワン賞を用意しているなら、ニアピンは対象外にする。用意していないなら、ニアピンを認めて表彰する。—— この形にしておくと、賞が1つも当たらない事態も、二重取りも起きません。実際に「ホールインワン賞がないコンペに限ってニアピンの権利あり」と決めている例があります。
認める場合、その時点でニアピンは確定です(後続の組がどうやっても更新できないため)。フラッグは回収するか、カップに挿して「確定済み」と分かるようにしておきます。
どこまでが対象か
| 状況 | 一般的な扱い |
|---|---|
| 2打目以降で寄せた | 対象外。どれだけ近くても1打目だけが対象です |
| グリーンを外した(ラフ・バンカー・カラー) | 対象外。ピンの近くでも、乗っていなければ権利なし |
| OBを打って、打ち直しで乗せた | 「最初の1打目のみ対象」とするのが多数。打ち直しの球は数えません |
| ホールインワン | 要事前決定(前の章のとおり) |
| PAR3以外のホールで乗せた | 対象外。ニアピンホールは事前に指定します |
グリーンのカラー(エッジ)に止まった球を「乗った」とみなすかも、意外と揉めます。カラーは グリーンではないので対象外、が原則です。
当日の進め方
- 先頭の組の先頭打者からスタートします。その組でピンに最も近く乗せた人が暫定の資格者です。
- 暫定資格者は、自分の球のすぐ後ろ(ピン側)にニアピンフラッグを立てて、名前を書きます。
- 後続の組は、フラッグより自分の球が近ければ、前のフラッグを抜いて自分のものを立て直します。
- 最終組が終わった時点で立っていたフラッグの人が、ニアピン獲得です。
フラッグが用意できないときは、球の位置にボールマーカーを置き、ピンまでの距離を測ってスコアカードに記録する方式でも代用できます。
権利を失う条件(入れる場合)
ニアピンを取っただけでは終わらせない、というローカルルールもよく使われます。
| 名前 | 内容 |
|---|---|
| 3パット失格 | ニアピンの位置から3パットしたら、権利を剥奪される |
| パー縛り | そのホールをパー以下で上がらないと権利を失う |
| 消しゴム(火消し) | グリーンを外した人が、ニアピンを取った人と同スコア以上で上がると、ニアピンの権利が消える |
「せっかく乗せたのに3パットで台無し」という緊張感を足すためのルールです。オリンピックと組み合わせるときによく使われます。入れるなら、これも必ずスタート前に共有してください。
SQOREでの扱い
アプリのSQOREはニアピンを取った人を選ぶだけの方式です。取り決めはコンペごとに違うので、アプリ側で自動的に取り消したりはしません。
そのため3パット失格・パー縛り・消しゴム(火消し)には対応していません。これらを採用している場合は、権利が消えた時点で選択を外してください。オリンピックの3パット減点は別の設定として用意されています。
誰もグリーンに乗らなかったとき
PAR3で1人も乗らなかった場合の扱いは、次の3つのどれかを事前に決めておきます。
- キャリー — 次のPAR3へ持ち越し、賞を2つ分にする(仲間内のポイント制で一番よく使われる形)
- 該当者なし — そのホールは賞なしで終わり
- 次善の基準で判定 — ワンオン条件を外して、グリーンに最も近い球の人に渡す
スタート前に決めておくことリスト
ここまでの内容をまとめました。幹事はこれだけ潰しておけば、当日の言い争いはほぼ防げます。
| 決めること | よくある選択 |
|---|---|
| ニアピンホール | 全PAR3 / OUT・INで1つずつ |
| ホールインワンの扱い | ニアピンも取る / ホールインワン賞のみ |
| ワンオン条件 | 必須(標準)/ 外す |
| OB・打ち直し | 最初の1打目のみ / 打ち直しも有効 |
| 3パット・パー縛り | 入れない(標準)/ 入れる |
| 誰も乗らなかったとき | キャリー / 該当者なし / 次善の基準 |
| カラーに止まった球 | 対象外(標準)/ 認める |
アプリなら取った人を選ぶだけ
どの取り決めでも、そのまま入れられる
iPhoneアプリのSQOREは、そのホールでニアピンを取った人を選ぶ方式です。ホールインワンを認めるかどうかのような取り決めはコンペごとに違うので、アプリ側で勝手に判定せず、決めたとおりに入れられるようにしてあります。
誰も取らなければ次のPAR3へ自動でキャリーし、何ホール分が乗っているかも表示されます。オリンピックのホールインワン加点はニアピン加点と別項目なので、両方付けることも片方だけにすることもできます。
よくある質問
ホールインワンはニアピンになる?
決まっていません。「ピン=旗竿だから距離ゼロで一番近い」として認める立場と、「グリーン上に止まった球の距離を競う賞だからカップインは対象外」として認めない立場の両方があります。一般向けの解説は認める側が多数ですが、ホールインワン賞を別に用意しているなら対象外にするのが揉めません。
ニアピンはゴルフ規則で決まっている?
決まっていません。ゴルフ規則にニアピンの定めはなく、コンペや仲間内の取り決めだけで成り立っている賞です。だから条件は自由に決められますし、決めていないと揉めます。
2打目で寄せてもニアピン?
対象外が原則です。ニアピンはPAR3のティーショット(1打目)で乗せた球だけを見ます。
「ニアピン」と「ニヤピン」はどちらが正しい?
どちらも使われますが、英語の near pin に由来するので「ニアピン」が一般的です。コンペの案内では「NP賞」「ニアレストピン賞」と書かれることもあります。
ドラコンとの違いは?
ニアピンはPAR3で正確さを競う賞、ドラコンはPAR5で飛距離を競う賞です。くわしくはドラコン・ニアピンのルールをご覧ください。
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